2009年のJ2参入から、2024年の昇格プレーオフ制覇、そしてJ1での戦いへ。ファジアーノ岡山の歴史はまだ浅いようでいて、忘れがたい選手が何人もいます。ここでは現役の所属選手を対象外として、クラブの歴史を作った11人を私の独断で選びました。並びは現在のチームと同じ3-4-2-1です。
GKと最終ライン 記憶に残る背中
ゴールマウスは中林洋次。J2時代の岡山を長くゴール前で支えた守護神で、のちにサンフレッチェ広島へ引き抜かれたこと自体が、その実力の証明でした。J1昇格の立役者となったスベンド・ブローダーセン、G大阪へ羽ばたいた一森純と迷いましたが、在籍の長さと象徴性でこの人を選びます。
3バックの中央は岩政大樹。鹿島アントラーズで一時代を築いた元日本代表CBが2014年に加入した衝撃は、当時のJ2岡山にとって事件と呼べる出来事です。守備の統率だけでなくセットプレーの得点源でもあり、2016年にはリーグ戦6得点。両脇には、長く最終ラインに君臨した生え抜き感のある竹田忠嗣と、対人の強さで支えた後藤圭太を置きます。
中盤 岡山の心臓とワイドの職人
ダブルボランチの一枚は上田康太。左足のプレースキックと展開力で攻撃の起点を担い、岡山の中盤の質を明らかに一段引き上げた選手です。相棒には喜山康平。一度クラブを離れ、松本山雅から7年ぶりに復帰した経歴の持ち主で、ボランチからCBまでこなす万能性とキャプテンシーで、長くチームの背骨を担いました。
右のワイドは加地亮。元日本代表の右サイドバックが2014年に加入し、現役最後の数年間を岡山で過ごしてくれました。攻守を往復し続けるあのランニングを、地方のJ2クラブで間近に観られた幸運は忘れられません。左は徳元悠平。正確な左足のキックで攻撃を作り、のちにFC東京へ個人昇格した実力者です。
前線 2016年の記憶
シャドーの2枚とCFは、クラブ史上もっとも昇格に近づいたシーズンのひとつ、2016年の顔ぶれから選びました。この年の岡山はJ2で6位に入り、昇格プレーオフの決勝まで駆け上がっています。
矢島慎也は浦和レッズから期限付きで加入し、中盤で違いを作り続けてリオデジャネイロ五輪代表にも選ばれました。豊川雄太は鹿島から加入して10得点。そして1トップは押谷祐樹。2016年にチーム最多の14得点を挙げ、複数回の在籍を通じてクラブの得点の歴史を書き続けたストライカーです。岡山のユニフォームでゴールを重ねた数なら、この人の右に出る選手はなかなかいません。
選外に泣いた男たち
赤嶺真吾の泥臭いゴール、イ・ヨンジェの快足、J1昇格の年にゴールを量産したグレイソン、正確な右足の千明聖典。どの名前を入れても成立するのがクラブの歴史の厚みです。あなたのイレブンとどこが違うか、スタジアムへ向かう道すがらの話の種にしてもらえたらうれしいです。